二人で考えすぎるブログ

二人で、考えすぎずに書く練習をしています。

日本人は可哀想な存在が好き

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宇井都です。

先日、夜中に夫と二人して全然ねれなかったので話し込んでいた。

福岡の和菓子って結構美味いよね、通りもん美味い、博多ぶらぶら美味い、にわかせんべいあんま食べたことない。

という流れになったあたりで、夫が

「湖月堂の〜栗まんじゅう〜♪」という湖月堂栗まんじゅうのCMソングを歌い出し、

あの歌はマジで音が高いとかなんとかそういう話になり、二人でyoutubeを見始めた。

youtubeで懐かしいお菓子のCMを見ていると、存在を忘れていたCMに再会した。

「雪うさぎ♪雪うさぎ♪あなたのお目めはなぜ赤い♪母さん夢見て泣いたから♪」っていうこれである。

雪うさぎ - YouTube

暗いわ!!!!!

いや暗いわ。なんだその話。

なんでこんな可愛らしいお菓子に、そんな暗い話くっつけなきゃいかんの?

しかも後半では、にこやかなうさぎのキャラクターが

「お土産、贈り物にどうぞ♪」ってさあ、お前、わかってんのか。

お土産・贈り物にされた結果が、「母さんとの別れ」なんじゃないの?ねえ、どうなの?

でもこの歌を違和感なく聞ける感じ、かわいそうなものを積極的に愛するというか、「かわいそうなものは愛しい」という感覚が日本にはあるなあ、と思って、それがなんかね、やだなーと。

そもそも「かわいそう」と「かわいい」の語源が同じだもんね。なんか改めて考えると、これって異様ではないか。怖いではないか。

日本人のツボ、かわいそう話

日本で愛されるストーリーって、本当にかわいそう話が多い。

「中犬ハチ公」とか「ごんぎつね」とか「名犬ラッシー」とか「可哀想な象」とか、動物×可哀想はもう鉄板。

他に「孤児ハッチ」「母を訪ねて三千里」とか、ドラマだと「おしん」とか「家なき子」とかの孤児話も人気。「母を求める子」っていうテーマ、やたら好きじゃない?

しかもさ、そういう可哀想な境遇のキャラクターが健気に頑張って、頑張ってるのにそれが報われず、もっともっと可哀想な感じになるのがさらに喜ばれる傾向、ある気がするよね。

海外で孤児ものっていうと「アニー」なんか、超元気だもん。辛い運命を切り開く話。ハッピー。暗くない。ああいうの、日本人はグッとこない。

日本で愛されるキャラクター像って「マッチ売りの少女」みたいな感じ。最初っから最後まで可哀想な感じ。

もうこれが共通認識みたいになってるからこそ、可愛いうさぎのお菓子に「母さん夢見て泣いたから」って歌をかぶせても違和感が無いんだよな、きっと。

可哀想じゃないやつは可愛く無い

その辺と繋がっていそうなのが、やたら「頑張ってる子」の肩を持つ風潮。

自分でささっと仕事や勉強を済ませてチャチャっとソツなくこなしてスッと帰るようなタイプって、決して愛されない。ちっとも可愛く無いってことだと思う。

ダメでダメで、何やっても言われたことちゃんとできなくて、でも一生懸命で、毎日叱られながらも、「頑張ります!」って気丈に振舞って、一人になった時に涙をこぼす、みたいな子が好きなんだ。可愛いんだ。

可哀想な子が頑張ってる!話が好きなのだ。きっと日本人は。

で、まあそれはいいと思うのだ。頑張るのはいいことだもの。変えられることがあるなら、頑張るべきだ。

問題なのは、そうやって「頑張る子をかわいがる」人たちは、「頑張る子が成功する」瞬間までは大いに盛り上がるけれども、「頑張る子ができる子になる」と、急激に興味を失う。可愛くなくなる。自分を超えそうになろうもんなら、全力で潰しにかかる。

そういう図を私は無限に見てきたし、日本社会に生きる人ならきっとみんなそうだと思う。

みんな、根本的に成功者が嫌い

ってことになる。で、実感的にもそう思う。これってすごく悲しくない?

成功してる人や恵まれた人のこと、みんな嫌うよね。男でも女でも。

金持ちが嫌い、頑張る貧乏さんが好き。どんなにお金を稼いでも、そのお金で高級車を買うようなやつは嫌い。そのお金を使いこなせなくて、いつの間にか借金を背負っちゃって、それでも「お金じゃ手に入らないものがある。今幸せ」とか言ってる人が好き。

美人が嫌い、磨けば光る美しさを持ってるのに「私ブスだもん…」とか言ってる女が好き。どんなにチヤホヤされてもモテても、いつまでも「私はブス」って言い続けてないと許さない。

同じように、頭が良い人も嫌いだし、才能がある人も嫌い。

ホワイト企業で快適に働く人より、ブラック企業で必死に働く人が好き。

なんか悲しい話だと思わないか。

「雪うさぎ」に日本人の社畜魂をみた

とかなんとか考えてると、箱に並べられた「雪うさぎ」の真っ赤な目が、不眠不休で働く日本人の目に重なってくる。紙箱はさながら満員電車である。

徹夜明けの赤い目で電車に乗り、横並びの同じ姿勢、似たようなスーツで別々の会社へと向かう企業戦士たち…。

みんな無理はやめて!とりあえず帰って寝てくれ!てか、家ではちゃんと寝れてんのか!

睡眠不足はうつ病の始まりだってあれだけ口すっぱく言ったろーが!

病院いけ!いや行ってくれ!頼む!

みたいな気持ちになって、もうダメ。もう絶対「雪うさぎ」食べられない。もう絶対食べない。

まあ支障無いけどさ、もともと好きじゃないし。。。

 

 

…相当脱線しましたが、以上でございます。

宇井都