二人で考えすぎるブログ

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バチェラー・ジャパン Season1を観終えて

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こんばんは、十専口人です。

先日、Amazonプライム・ビデオで配信中の「バチェラー・ジャパン」のシーズン1を観終わりました。この番組は、アメリカの人気番組「The Bachelor」の日本版です。

内容はというと、

『ある一人の幸運な独身男性バチェラー(久保裕丈氏)が、25人の女性たちと様々なデートを繰り返しながら、運命の相手となる最後の1人の女性を選び出していくという恋愛サバイバルが繰り広げられます。』(Amazonプライム・ビデオ引用)


という、何かと話題を呼びそうな番組です。(笑)

テラスハウス』や『あいのり』のように、半分ドラマ半分ドキュメンタリーといった形の番組をイメージされると良いかと思います(どちらも僕はちゃんと観たことないですがw)

そもそも、僕はこの手の番組が大嫌いです。食わず嫌いに近いですが、エンタメ重視で他人の恋愛を見世物にする感覚と、それを楽しんで観ている視聴者の感覚が全く受け入れられないからです。内容も薄っぺらく表面的なんだろうなと勝手に想像していました。(観たことないので本当のところは分かりませんが)

ただ、今回そんな番組スタイルの「バチェラー・ジャパン」を観て、その価値観が少し変わったように思います。これは僕にとっても良い変化だったと思いますし、僕のようにこの手の番組を毛嫌いしている人も観るきっかけになるかもしれませんので、そのことについて書いてみます。

何故観ようと思ったのか?

そもそも何故僕がこの番組を観ようと思ったかというと、きっかけは後輩が勧めてきたことでした。その後輩(22歳の女性)のおすすめポイントは、女性陣のドロドロした男の奪い合いを、こういうのあるある、こわーいと第三者的に観ることと、女性の本性を分かっていない男の馬鹿さ加減、そして好感を持てる女性の応援、という3つの要素でした。正直この話を聞いても観たいとは思いませんでしたが、特に観るものもなく、今日何を観ようかなと思った時に、おすすめ動画に出てきたのと、食わず嫌いを辞めたいという思いもあり、これも何かの縁と観てみることにしました。

観ていく中で

まず1話2話と観て感じたのは、番組制作サイドに対する怒りです。(まあ、ある程度は予知していましたがw)

とにかく金の使い方が尋常じゃありません。ヘリの空撮、高級リゾートホテルの貸切、リムジンでの参加者のお出迎えなどなど。とにかくゴージャスできらびやかな演出。そして、いかにも漫画やドラマで描かれるような、金持ち!イケメン!性格良し!のバチェラー。それに群がる、名声を手に入れたいテレビ映りたがりの調子にのった女性たち。

最も苛立たしかったのは番組の映像演出。ドキュメントと銘打っておきながら、会話ややりとりはそこまで映さず、ほとんどがイメージカット。男性と女性のインタビューを中心に番組が構成されている点でした。

正直どう楽しんで観れば良いのかが分からず、終始イライラしながら観ていました。

しかし、3話目を越えたあたりから、僕は番組の見方を変えてみることにしました。それは、「これが世論なんだ」と思ってみることです。

結局、僕がこれまでこの手の番組を食わず嫌いしていたのは、明らかに自分の思想と比較し否定することしかしていなかったからです。それはある意味、一度もその価値観を受け入れようとしてこなかったということです。でも、この番組のように、これだけの大金が使えるのも、これだけ話題になるのも、それを求めている人が沢山いるという事実があるからで、じゃあ僕が作った番組がそれだけの人達に求められているかというと、Noです。

ですから、否定するよりも先に受け入れてみようと思いました。世の中がどういうものを観たいと思っているのか、何が話題になるのか、それを知る良いチャンスだと思いました。それから番組の見方を変えました。

番組から見えてきたもの

この番組は、どういう気持ちで観るのかで評価が大きく別れる番組だと思います。僕が最初にやっていた穿った見方だと、最後まで観る人は少ないと思います。しかし見方を変えることで、色々なことに気づくことができました。

まず、バチェラー・ジャパンは、世の中の恋愛の縮図を表わしていると感じました。この番組を観る人の多くは、恐らく女性の方に目が行くと思います。この女性は性格悪いねとか、この女の子は良いねとか、この子に頑張って欲しいとか。番組的にも、男よりも女性同士の争いを中心に描いている節があり、女性の恐ろしい裏側を意識的に見せようとしている感は否めません。しかし僕は、それは男性の方にも言えることだと思いました。どの女性にも良いことしか言わず、常に優しく接し、インタビューでも良いことばかり語ります。でもそれって実は一番腹黒いんじゃないかと思ったり。そういう意味では、女性よりも男性の方がもっと恐ろしいんじゃないかと思いました。更に突き詰めると、それは番組に限らず実際の恋愛でも起こっていることなんじゃないかと。

恐らく現実でも、女性は裏で色々な陰口を言ってるし、男性は女性の前ではリードし優しくしようとしているでしょう。どちらも付き合うまではお互いの前で仮面を被っているのです。派手な演出で中々そこに目は行きにくいですが、この番組で起きていることは、現実に起こっていることで、そう考えると、この番組を批判することは、引いては現実を批判することにも繋がることなんだ、と思うようになりました。

あざとい女の子は他の女の子から嫌われるし、かといって友達思いの女の子も男を前にすると裏切られていきます。こんなぶりっ子の女の子は絶対性格悪いだろうと思いながらも、実際目の前でやられると、可愛いし騙されても良いっかとなる男がいます。

これが世の中の真理です。

番組で描かれる人間の本質

この番組でもっとも注目されるのは、女性を選ぶ基準だと思います。良くも悪くも評価されるのは、何故その女性を捨てて、この女性を選んだのか?ということ。それが色々な批判を呼ぶのだと思います。

最初に疑問に思ったのは、1話目で25人の女性を集め、ほんの数時間のパーティで20名を選ぶという点。つまり5名を捨てるということです。1人あたり10分程度しか話せない中で選ぶ、つまり、殆ど見た目の好みでしかないということです。僕は正直こんな事するぐらいなら、もっと人数減らせば良いじゃんと思ってしまいました。参加している女性達があまりにも可哀想です。

でも、よくよく考えると現実はそうかもしれません。世の中にいる大勢の女性と出会える時間は限られており、声をかけて、なんとなく気になって次の誘いをする時って、大抵第一印象が良いかどうかだけです。そういう意味では、現実を忠実に再現していると言えるかもしれません。

そして、話が進むに連れて女性の数もどんどん絞られていきます。その度に起こるのが、女性の比較です。番組の性質上、この子が良いというよりも、あの子と比べてこの子はどうか?という比較で選ばれていきます。

しかし、これも現実で起こっていることです。何度もお付き合いをしていく中で、色々な人を知ることができ、別れる原因も他の誰かと比較したが為にということが多いにあります。人は基本的に、何かと比較することで、その良さを知ることができるものです。

そういう人間の本質的な部分をゴージャスな演出で幻想的に見せているのが、この「バチェラー・ジャパン」なのだと思います。

最後まで観ると見えてくるもの

ここまで読んで観たいと思ってくださった方、是非最後まで見届けてください。僕は正直に言うと、9話を見終わったあたりで残った女性陣を見て、観続ける気持ちが薄れていました。でも本当は、それ以降がこの番組の一番の見所だと思います。それは11話の女性陣の家族に会いに行く回です。そこには番組に出演する娘への思いや、番組で恋人を探すバチェラーに対する気持ちなど、それまでの恋愛以上にリアルな世の中の声を描いていると思います。カメラが回っている中、正直に話せるその家族の方々は本当に素晴らしいなと思いました。

僕は、誰が結ばれるかなんて全く興味がありませんでした。ただ、番組には人間の純粋な部分と醜い部分、本音と建前という、まさに人間らしい部分を垣間見ることが出来て、観て良かったと思っています。飾らず素でいたいと言いながらも、相手を目の前にするとどこか飾ってしまう。でもそれは、相手に好きになってもらいたいという純粋な気持ちから来るもので、そういう矛盾を抱えながら人間は生きているのだと思います。


最後に僕が個人的に最も印象に残っているのは、11話目のバチェラーの言葉

「バチェラーを通じて、凄く自分の中で変わって来ているのは、仕事を大事にするとは言え、それが言い訳で恋人との向き合い方だったりがおざなりになってはいけないし、そこから逃げてはいけないんだ、というのが僕の中での大きな変化だと思います」

僕自身が仕事人間で、これまでの恋愛でも彼女を二の次にしてきた経緯もあり、凄く胸に刺さる言葉でした。本当に仕事を言い訳に逃げてきたなと。この言葉をキッカケに、これからの恋愛に対する向き合い方が少し変わりそうです。

最後に

この番組を通じて、やはりどんなものも、見る人の気持ちによって捉え方は変わるのだと思います。それならば、アラを探すやり方ではなく、何かを見つけようとする気持ちで見る方が、自分の中には無い価値観の発見に繋がるのだと学びました。番組が良い悪いではなく、そこから何を読み取ることができるのか、それが自分にとっての全てだと思います。もちろん楽しんで観ることが大前提ですが、そういう新しい発見を探す為に観るのも、番組の楽しみ方の一つだと思います。

「バチェラー・ジャパン」

何か新しいものを見つけると思って、是非皆さんもご覧ください。