アパレルの会社にいた私が服にお金をかけない理由
こんにちは、この間めっちゃ理不尽な流れ(かつ、いろいろあって誰のことも責めづらい)でギャラを減らされ、思い出すたびに怒りで煮えたぎっています宇井都です。
不安定なフリーの立場、お金の話にはどうしても神経質に…なっているかと見せかけて実はそうでもなく笑
結構欲しいものとかはフラフラ買っちゃうし、特にお酒飲んだり美味しいもの食べたりすることにはためらいなくお金を使っちゃいます。
そんな財布のヒモぐずぐずの私ですが、洋服代は、めちゃくちゃケチります。高いもの一切買いません。安物まみれです。どのくらい安物まみれかというと、「ZARAって割と高いよね」とか思い始めちゃってるくらいまみれています。
手持ちの服の9割が、H&MとZARAとUNIQLOとFOREVER21で出来ています。
どうだ、貧乏くさいだろう。もとい、現代っ子だろう。
とはいえ昔は全然そうではなかったのです。洋服好きだし、小さい頃から割と親に「高いものを着ておけ」みたいな教育も受けてきましたし。
じゃあ何で今こんなにも安物ばかり着ているか?と言うと、最も大きな理由はお金がないから「以前アパレルをやっている会社に勤めていたため、洋服の価値の現実が見えてしまったから」ということになると思います。
洋服が好きだったのに、仕事で洋服を見るようになって、洋服から離れていった私。
一体どういうことなのか、ちょっと掘り下げて書いていこうと思います。
⑴5年10年着られる服などありはしない
洋服、特に高い服をお客さんに売る際の殺し文句に、こういうものがあります。
「同じようなデザインの安物もありますけど、こういうベーシックなものは高いものを買っておいたほうが何年でも持つし、長い目でみれば結局お得ですよ」
これはもう、嘘ってことでいいと思います。嘘です。絶対に嘘です。
質のいいものは素敵です。お値段の高いものは大抵質が良く、安物とは別格の見栄えをします。それは否定しません。ただ、それが長い目で見てお得だなんていうのは大嘘です。
どんなベーシックアイテムも、流行の波に抗うことは出来ません。白シャツやGパン、シンプルなパンプス、トレンチコート。こんなデザインなら何年先でも着れるかも…とついつい思わされてしまいますが、細かなシルエットの違いで、古いものは結局古くなってしまうのです。流行という意味でいうと、服の寿命は最短半年、もって4年くらいではないでしょうか。5年10年も素敵に着れる服なんてそうそうない、いや、ない。
タンスの肥やしになる未来が見えています。
高いものを買っても、安いものを買っても、服の命は短い。
これが現実です。でなければ、洋服屋は潰れてしまいますからね。
あとは個人の選択です。半年しか着れないとしても、この服を買いたい!そう思える服になら、いくら出したって高くはないと私は思います。が、私個人としては、そんな服には滅多に出会わないので、「どうせ古くなっちゃうし、安いのでいいや」となるわけです。
⑵値段と品質は必ずしも比例しない
これはもう見出しの通りなのですが。
値段は安いけど、品質のいい洋服もある。これは真実。
そして、
値段は高いけど、縫製ガタガタ、着たその日にダメになる服もある。これもまた真実。
洋服の値段は、品質よりも何よりもデザインとブランドで決まります。
それが悪いことだとは思いません。洋服を買うということは、着るものを買うことではなくて、イメージを買うということです。だから、質の高いイメージを提供してくれるブランド商品や、デザインが良い商品が高いのは当然なのです。
どんなに丈夫だろうと縫製が美しかろうと、ノーブランドの服はタダ同然。
洋服ってのはそういうものです。
さらにいうと、ブランドものの価値・イメージというのは、そのブランドを知っている人にしか伝わりません。みんながルイ・ヴィトンを知っているからこそ、ルイ・ヴィトンの財布には価値がある。そんなメジャーなブランドものを持つのは照れくさいと言って少しマイナーなブランドの財布を持つとしても、やっていることは同じです。マイナーなブランドを知っている「わかっている人たち」同士で、目配せをし合うわけです。
しつこいようですが、そういった洋服のあり方を否定したいわけではありません。ただ、私は「高いお金を払って身につけたいほどのブランドイメージを知らない」のです。少なくとも今はまだ。お金を払うほどこのブランドが好きなわけじゃないから、安物でいっか。というわけなのです。
⑶無理して高い服を着るとダサくなる
実はこの理由が最大。これは洋服を買いに来ているお客さんを見ていて思ったことです。なんと失礼な、と思われるかもしれませんが、私自身も身に覚えがあるので理由として挙げています。
お金持ちは、高い服を着こなすのが上手です。なぜなら、執着しないからです。
「これ素敵ねえ」と言って値段も見ずに気に入った服をさっと買い、出し惜しみせずに日常的に使います。メンテナンスもスマート。専門のお店にクリーニングやお直しを頼んでいい状態をキープしつつ、飽きてしまったり、流行に合わなくなってきたらさっと処分する。
そういうお金を持ったお客さんを見ていて、私は悟りました。「人は分相応の格好をするのが一番である」と。
お金はないけど、どうしてもこの服が欲しい!と言って、たとえばローンを組んででも高い服を買う。それはそれですごく素敵なことです。が、洋服を素敵に着こなすという視点でいうと、あまり良い結果を生まない。
なぜなら、そうやって無理に高い服を買うと、どうしたって執着が生まれるからです。とっておきの時に着ていきたい。他の服とあってなくても着ていきたい。古くなっても手放したくない。似合わなくなっても着ていたい。古くなっても着ていたい。ダサくなっても捨てられない。「だって高かったんだもん」
…って、なりませんか?私はなりますね。お客さんを見ていてもそういう人は少なくありませんでした。
だから思ったのです。「金持ちが高い服を着こなしているように、スマートに着こなせるレベルのものを着て暮らそう」と。
メンテナンスをめんどくさがる私に、麻やシルクの服は向いていません。とても素敵なのはわかっていますが。
まともにメンテナンスをしていない上質な品よりも、きちんと手入れの行き届いた(もしくは新品の)安物の方が、はるかに素敵に見えるものです。
また安物であれば、自分に似合っているか似合ってないか?を冷静に判断することができます。執着がないから。執着を捨てて、常に自分に一番似合うと思うものを選ぶ。そのために、私は高いものを買うのをやめました。
⑷安い服なら冒険ができる
あともう一つ、これはむしろ安い服を着るようになって気づいたことですが、
安い服なら失敗しても許せる、というのも大きなメリットです。
高いものを買うときは失敗したくないから、どうしても、自分に似合うとわかっているもの、これまで自分が買ってきた服と合うものを選んでしまいがちです。
結果、似たような服が増えていったり、いまいちおしゃれが進歩しなかったり。
でも安い服なら「まあ失敗しても1500円だし」となる。そういう服が、意外な発見をもたらしてくれることが少なくないのです。
そもそもすごくオシャレの感覚が鋭い人なら、そんなこと必要ないのかもしれませんけど、私自身はこのやり方が気に入ってますね。
ていうかそもそも洋服より体作りの方が大事だと思ってる…
ま、いろいろ述べてきましたけど、本当に、こればっかりは好みとしか言いようがないのですよね。
本当に服が好きな人からすると、ふざけんなって感じの主張ばかりだと思います。
結局私は、洋服にそこまで興味がないという、それだけの話なのだと思います。美しい服は作品であると思うし、それに価値を見出せる人がお金を払うことには、何の問題もないです。っていうか素晴らしいです。
洋服好きのお洒落な人は、私の格好見て「貧乏くさ!だせー」と思うのかもしれない。それは仕方ないし、あまり気になりません。だって貧乏だもん。ブランドものとか買えないもん。私は高い服着ている人見て「おしゃれだなあ」と普通に思います。お洒落な人素敵です。
まあ、ていうかそもそもね、最近筋トレにはまってる私からいたしますと、たっかいGパンに包まれたダラ尻よりも、安物のGパンからはち切れんばかりに主張する若々しい美尻の方が100倍素敵に見えるとか、そういう話もあったりするんですよ。
美しい体に勝るファッションなし。
まあ、美しい体の人がお洒落したら最強だけどもね。
以上でございます。
宇井都