二人で考えすぎるブログ

二人で、考えすぎずに書く練習をしています。

「会話上手=聴き上手」ほど、相手の話を聞いていない

会話が上手な人というと、どんな人を思い浮かべますか?
派手な話題でその場の注目を集め、周囲を盛り上げる人、といったイメージを持っている人。
あなたの社交レベルはMAX値を99とすると3くらいです。出直してください。
 
「会話上手は聞き上手」という言葉を聞いたことはありませんか?
そう、正解はこちらです。会話が上手い人というのは、聞くのが上手い人です。聞くのが上手い人は、相手に気持ちよく喋らせた後、的確なレシーブを打つことができます。
 
会話というのは、例えると温泉卓球なのです。基本的には相手の打ちやすい球をポコポコ返しつつ、たまにスマッシュなど打って場を盛り上げる。このくらいの塩梅が大事なのです。
 
人との会話を弾ませるべく「テッパンすべらない話」をストックしたり「何月生まれですか?」みたいなどうでもいい質問を連発するなどの失敗は会話ベタの人にありがちですが、こういう試みは、ろくにレシーブもできないくせに回転サーブを練習するようなものです。どう見ても無謀である上、上手くキマったとしても誰も喜ばない。誰も幸せにならない。 LOSE-LOSEなわけです。
 
卓球の話はともかく、
人と楽しく会話しようと思ったら、聞き上手になることが何より大事です。
ここまでは知っている人も多いでしょう。
それならとばかりに、「へー!」「そうなんだー!」「すごーい!」を連発しているそこの女!自分語りを垂れ流したいだけのバカを調子付かせるのはやめなさい。周りみんな迷惑してるんです。
本当の聞き上手とは、相手の話の要点を正しく捉え、言葉に込められた気持ちを正しく推察できる人です。さらに、相手が話したいことを全て話し終えられるように、上手に誘導ができれば完璧。「へーそうなんだすごーい」は、この誘導の部分だけを連発しているだけ。付け焼き刃もいいとこな訳です。相手がマトモな人なら、「この女は自分をナメてるな」と感じます。
 

聞き上手=真剣に相手の話を聞くことではない

ではどうするか。「聞き上手」という言葉を額面通りに捉えて、とにかく相手の話にしっかり耳を傾け、一言一句逃さず暗記する勢いで聞き入る人。
これもまあ結論から言うと実は間違いなのですが、この層の人たちに「お前らは間違っている」というのは正直気が引けます。なにせ、志はオッケーなのです。
真剣に聞いているというのは相手にちゃんと伝わります。真心さえあればほとんどの状況で反感を買うことはありません。
でも、反感を買わないというのは100点ではありません。及第点というだけ。ダメじゃないねで満足していたら、いつまでたっても話し上手にはなれません。
厳しいことをいうと、最も話をややこしくするのはこのタイプの人です。良かれと思って相手の言葉、文章の情報にのみ集中する人は耳だけはしっかり働いている=聞いたつもりでいるから、かえって厄介なわけです。
 

「だって**って言ったじゃないですか!」

耳だけ動いて聞いたつもりの人は、ついついこういうことを口走ります。相手にぶつけないまでも、この手の不満を抱き、陰口を叩きます。
ものすごーく極端な例を言うと、耳だけ動かしている人は
「やる気がないなら帰れ!」と言われて帰る、みたいなことをやりがちなのです。
そう言われて帰るのは、相手に本気で喧嘩を売りたいときなら大正解ですが、相手には気に入られたいあまりにマジで帰る、みたいなことをやっちゃう。
そもそも「聞き上手になれ」と言われて聞くことにばっかり集中しているあたりが、そもそも分かってない証拠と言えるのです。
 

人は自分が思っていることを完璧に喋れている訳ではない

「やる気がないなら帰れ」の例をわざわざ解説いたしますと、この言葉の本当の意味は「絶対に帰らずに、やる気を見せろ!」な訳です。定型文すぎて流石に皆さんわかると思います。
でも、普段の会話はここまで簡単ではないのです。
構って欲しいひとが「私に構わないで!」と言ったり、
ダサいものを欲しがっているひとが「かっこいいのが欲しい」と言ったり、
本当はモテたくて仕方ない人が「俺は女なんて嫌いだから」とか言ったりするんです。
それを言っている本人にすら、自分の真意が掴めていないことも往々にしてあります。
さらにややこしいことに、世の中の多くの人は、特に話し上手にではないので、自分の考えていることを正確に言葉にすることが出来ません。
会話って厄介ですよねえ。
 

聞き上手は相手の話を聞かない

で、本題のこれ。これはどういう意味か。聞き上手の人ならおそらくこの先を読まずとも意味がわかると思います。自然にやっているはずなので。
 
聞き上手は相手の話をしっかり聞きません。言葉自体は追っているけど、その意味は半分くらいしか受け取らないようにしています。それが会話のコツだと知っているのです。
じゃあ、残りの集中力をなにに使っているのか。
もちろん、今日の晩ご飯のことを考えてるわけじゃありません。
相手が何を考えているか?ということを同時に考えています。言葉を追いながら、相手のジェスチャーや表情や過去の実績(どの程度、言っていることと実際の意図が一致する人なのか)などを踏まえて、何を考えているかを予測しているのです。
 
聞き上手になりたければ、耳掃除をするより観察力を身につけようってことです。
じゃあ観察力はどうやってつけるの?って話は、次回にしようと思います。
書き疲れたので。
 
宇井都